MOPS バッファーの調製

本ガイドでは、実験室で使用する所定モル濃度のバッファーの調製方法を説明します。

MOPSバッファーは両性イオン性の緩衝系で、pH中性域で高い緩衝能と低い金属結合性を持つため、 分子生物学、とくにRNA関連用途で広く使われます。

MOPSバッファー — 1X作業溶液の組成

名称化学式濃度(1X)CAS
MOPSC₇H₁₅NO₄S20 mM1132-61-2
酢酸ナトリウムC₂H₃O₂Na5 mM127-09-3
EDTAC₁₀H₁₆N₂O₈1 mM60-00-4

MOPSバッファーの用途

MOPSバッファーは分子生物学で広く使われ、特にRNA電気泳動(変性アガロースゲルなど)、RNAの取り扱い、 pH 7.0付近で安定した緩衝が必要な酵素反応に用いられます。金属イオンとの相互作用が少なくUV吸収が低いため、 繊細な生化学・核酸用途に適しています。

調製のポイント、滅菌、保存

  • pH調整は全成分が完全に溶解してから行います。MOPS遊離酸で調製する場合はNaOH、MOPSナトリウム塩で調製する場合は酢酸を用います。
  • 高温で溶液が黄変するため、オートクレーブは推奨されません。
  • 調製直後は無色透明です。時間経過で淡黄色になっても使用に影響はありませんが、濃くなった場合は破棄してください。
  • 無水酢酸ナトリウムは吸湿性が高いため、秤量時の長時間露出を避けてください。
  • EDTA(遊離酸)は溶けにくくアルカリ条件が必要です。EDTAストック溶液の準備を推奨し、EDTA溶液またはEDTA・2Na・2H₂Oが望ましいです。
  • RNA用途では調製工程全体でDEPC処理を行ってください。
  • 滅菌:0.22 μmろ過。
  • 保存:遮光ボトルで4°C。
Preview
BioCalculator-Preview