ストック溶液調製ガイド - PIPES
PIPES(Piperazine-N,N′-bis(2-ethanesulfonic acid))およびそのナトリウム塩は、 生化学・細胞生物学実験で広く使われる両性イオン性 Good's buffer です。 おおよそ pH 6.1–7.5 の範囲で有効に機能し、二価金属イオンとの相互作用が小さいため、 金属イオン環境への影響を抑えたい系に適しています。
化学情報
- CAS 番号: 5625-37-6
- 分子式: C₈H₁₈N₂O₆S₂
- 主な塩形: PIPES·2Na、PIPES·Na、PIPES·1.5Na、PIPES(遊離酸)
- 分子量: 塩形により異なります(例: 遊離酸 302.38 g/mol、二ナトリウム塩 346.33 g/mol)。 詳細は下記試薬表を参照してください。
緩衝液としての特性と用途
- PIPES は中性付近で有用な緩衝能を示す両性イオン性バッファーです。
- 金属イオンを強くキレートしないため、二価陽イオンを含む実験系で扱いやすい特性があります。
- タンパク質精製、クロマトグラフィー、細胞培養培地、顕微鏡用固定液などに利用されます。
溶解性と取り扱い
- 遊離酸は水への溶解性が低く、通常は NaOH で pH を調整しながら溶解させます。
- ナトリウム塩形は溶解性が高く、直接バッファー調製に向いています。
- 細胞培養用途では、必要に応じてろ過滅菌が可能です。
ストック溶液の調製
指定モル濃度の PIPES バッファーストックを調製する例:
1.0 M PIPES(遊離酸)を 1 L 調製する場合:
• PIPES 遊離酸 302.37 g を脱イオン水約 800 mL に加えます。
• 攪拌しながら NaOH(例: 5–10 N)を少しずつ加え、溶解と pH 調整(一般的に約 6.8)を行います。
• 完全溶解し pH 調整後、水を加えて最終体積を 1 L にします。
• PIPES 遊離酸 302.37 g を脱イオン水約 800 mL に加えます。
• 攪拌しながら NaOH(例: 5–10 N)を少しずつ加え、溶解と pH 調整(一般的に約 6.8)を行います。
• 完全溶解し pH 調整後、水を加えて最終体積を 1 L にします。
あるいは、PIPES 一ナトリウム塩と二ナトリウム塩を等モルで混合し、目標 pH まで滴定して調製する方法もあります。
保存と使用
- 固体試薬は乾燥状態で室温保存し、調製後のバッファーは必要に応じて冷蔵保存します。
- 感受性の高い生物学用途では、ろ過滅菌した溶液の使用を推奨します。
使用可能な試薬
| 名称 | 分子式 | 分子量 (g/mol) | CAS |
|---|---|---|---|
| PIPES·2Na | C₈H₁₆N₂O₆S₂Na₂ | 346.33 | 76836-02-7 |
| PIPES·Na | C₈H₁₇N₂O₆S₂Na | 324.35 | 10010-67-0 |
| PIPES·1.5Na | C₈H₁₆.₅N₂O₆S₂Na₁.₅ | 335.34 | 100037-69-2 |
| PIPES (Free Acid) | C₈H₁₈N₂O₆S₂ | 302.38 | 5625-37-6 |
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